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27 被爆樹木・御船蔵町 川口宅のザクロ in 長崎(Aランク)

画家の思いがつまったザクロの木
初夏には花を咲かせ、秋には実がいっぱい
A-bomebed pomegranate tree in NAGASAKI


20230609_MG_4390.jpg20230609_MG_4679.jpg20230609_MG_4341-2.jpg20230609_MG_4417.jpg20230609_MG_4664.jpg

▼爆心地からの距離:2,000メートル
▼ザクロ科・落葉小高木
▼樹齢:約100年
▼樹高:約4.2m/胸高約1m
▼所在地:長崎市御船蔵町15-1
▼基準:Aランク 

【木の特徴―被爆した土地で生き続けている】 被爆樹木の中で、ザクロの木があるのはここ長崎だけです。
被爆樹木の中には、被爆した場所から移植された木も多くありますが、このザクロは爆心地から約2kmのこの場所で被爆し、今も生きています。被爆当時、ザクロは根元から1mを残して焼失しました。その後、焼け残った幹から新芽が芽吹いて、2本が太い幹に成長し、現在の姿になりました。岩壁に根をのばし、根張りの力強さが木の生命力を見せつけています。枝は横へ横へと張っていき、初夏にはたくさんの花をつけ、秋には実がなります。根元には、被爆による火災で黒く焼け焦げたあとがありますので探してみてください。(2019年5月中旬撮影)

【被爆を伝える―画家の思い】
ザクロの木は標高約30mの高台にある川口さんの家の敷地内に立っています。所有者である川口さんは少年の頃、家の窓から手を伸ばして、ザクロをもぎとってよく食べていたそうです。原爆が投下された後、なんとか自宅に戻ってきたとき目にしたザクロの木は幹のほとんどが消失していました。それから月日が経ち、「枝から芽が吹いたときは本当に嬉しかった」とその時のザクロの様子を絵に描かれています。川口さんは避難するときに見た光景が忘れられず、いえ、忘れてはならないと、原爆をテーマにした絵をたくさん描かかれていました。1枚1枚説明をしてくださった川口さん。私がお話をうかがってから数か月後に亡くなられました。本当に悲しかったです。もっとお話をお聴きしたかった。絵も見せていただきたかった。川口さんからお聴きしたお話はあらためて報告したいと思います。

【この木に会いに行こう!】
長崎電気軌道本線「八千代町」or「宝町」から徒歩約10分。または長崎駅から徒歩20分。急な坂道をぐんぐん上った先にザクロは立っています。

【基準解説】Aランク
原爆の熱線、爆風及び放射線により破壊、または著しく影響を受け、原爆のすさまじさを感じさせる<こん跡>のあるもの、著しいこん跡は認められないが、当時の社会的状況をとくに強く示唆するもの。(「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」保存対象のランク付けの基準より抜粋)

≪DATA of A-Bombed Trees≫
pomegranate in Nagasaki City
2000m from the hypocenter
botanical name:Punica granatum
age: about 100 years old
height:4.2m
address:15-1O hunagura-machi,Nagasaki-city
This tree survived the atomic bombing of Nagasaki, about 2000m from the hypocenter. The tree is standing in the garden of a private house. May,2019 Shooting
★Let's go to see this tree !
20 minute walk from Nagasaki station.

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