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東林院の沙羅双樹 Sal in Kyoto  

妖しく、美しい白い花
〝諸行無常の響き〟の象徴

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かつて、京都・東林院の庭に樹齢約三百五十の沙羅双樹が立っていました。幹が途中から二股に分かれた大樹。今、この庭にあるのはその子供たちです。根元にも小さな木が育ち始めています。朝、白い花が咲き、夜、花のつけ根からそのまま、すとんと落ちる、「一日花」。梅雨の頃、苔むした庭いっぱいに首だけを並べたように落ちた花の姿は美しく、妖しい。まったりとした白い花びらは日本女性の秘めた色香を具現化しているように思えます。
沙羅双樹のシンボルは「無常」。『平家物語』にあるように〝諸行無常の響き〟の象徴として白い花が存在しています。お釈迦さまが亡くなった時、臥床の四隅にあり、いっせいに花咲いて、たちまち枯れて悲しんだと伝えられます。東アジアでは天空を飾る宝樹。
一分一秒を悔いなく生きることを教えてくれる花です。


◎樹種/ナツツバキ(ツバキ科)
◎樹齢/約350年
◎樹高/約15m
◎幹周り/約1.5m
◎所在地/京都市右京区花園妙心寺町59 東林院(毎年6月15日~末日「紗羅の花をめでる会」のみ公開)
(2011年8月現在)

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