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シラヌタの大杉 Ceder in Shizuoka

隣に立つ若杉と合体して成長する 
堂々たる姿の連理のスギ 

IMG_9776Shiranuta.jpg DATA of TREE
▽樹種:スギ(ヒノキ科・常緑高木) 
▽学名: Cryptomeria japonica 
▽樹齢:約1000年
▽樹高:約41m/幹周り:約8.4m
▽所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町大字奈良本 奈良本国有林
※「森の巨人たち100選」


【木の特徴】
「千手観音杉」の立つ場所から、さらに歩いてもう一樹、会いに行きたいのがこのスギ。連理(れんり)の姿をしていて、その不思議な形に惹きこまれました。隣りに立つ若いスギとくっついて成長しているのです。枯れた枝もあり、樹勢が旺盛ではありませんが、堂々とした太い幹、連理の姿、なんとも神秘的な巨樹でした。雪の山をぐんぐん歩いて、会いに行った2本のスギ。「巡り合いにありがとう」と奇跡のような出会いに感謝。いつかまた、あたたかい季節に、緑の山で会いたいな。(2015年2月撮影)
★この木を見るポイント⇒ 隣の若木と合体して成長している。

【歴史を伝える】
「連理」とは、1本の木が別の木と合体して成長したり、1本の根元から2~3本の幹が並んで成長する特徴のこと。その姿から"縁結び"のご利益のあるご神木が日本全国にあります。この木はとくに言われていないようですが、「連理」好きにはたまらない巨樹です。伊豆には天城湯ヶ島町に「天城太郎杉」があり、この木に次いで大きいスギとして「次郎杉」と呼ばれることもあります。

【この木に会いに行こう!】
千手観音杉から2キロ歩いて、奈良本国有林の中に立つ。/車の場合、シラヌタの池入口から約5分で大杉の入口に到着。そこから遊歩道を歩いて約15分。IMG_9675SHironuta.jpg

伊豆奥地の千手観音杉 Ceder in Shizuoka

後光のようにも見える無数の枝 
姿はまさに千手観音さま


IMG_9614Senjukannon-sugi.jpgDATA of TREE
▽樹種:スギ(ヒノキ科・常緑高木) 
▽学名: Cryptomeria japonica 
▽樹齢:約1000年
▽樹高:約27m/幹周り:約6.5m
▽所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町大字奈良本  

【木の特徴】
雪、雪、雪の中で、美しいスギの木と出会いました。天に向かって手をかかげるように無数の枝が伸びて、その姿はまるで千手観音さま。本当に美しい。角度を変えて見ると、また違う美しさがあり、四方八方に広がる枝々は後光が射すようにも見えてきました。

この日は、巨樹写真家の高橋さん主宰「東京巨樹の会」に参加して、伊豆半島、天城山南麓へ。今も出会ったときの感動をありありと思い出す巨樹ですが、ここまでの道のりは遠かった、、、。1人では絶対たどり着けない、伊豆半島最高峰の万二郞岳から直線距離で2キロほどの奥地、巨樹好きでもあきらめるほど不便な場所に立っているのです。この日は雪の予報でしたが、「山奥にある巨樹に2キロ(!)歩いて会いに行きます」と。雪の中をざっくざっくと歩きに歩いて、看板発見!「オバケスギの入口」。そして、ついに「千手観音杉」を見上げたときの感動は一生忘れられません。(2015年2月撮影)
★この木を見るポイント⇒ 千手観音の手のようにたくさんの枝が空に向かって伸びている。

【歴史を伝える】
今でこそ、「千手観音杉」とありがたい名前で呼ばれていますが、昔は「お化け杉」と名づけられていたそう。この木の美しさと裏腹な名前、色気も何もないということで、幹から何本もの枝が出ているから、千手観音にあやかって、高橋さんのお友だちが名づけたと聞きました。それが今では全国区の名前に!すごいことです。

【この木に会いに行こう!】
伊豆急行「片瀬白田」駅からシラヌタの大杉遊歩道入口まで車で30分。そこから徒歩で約25分。林道をしばらく歩くと、伐採から免れた小さな広場のような林があり、その中央に立っている。

IMG_9580senjukannon.jpg


来宮神社のクスノキ Camphor in Shizuoka

白ひげの仙人様が宿っている大楠
ひと回りしながら一つだけ願いをかけて

s-1.2010_0818_123855-RIMG0067kusunoki kinomiya main.jpgs-2010_0818_124046-RIMG0076.jpgs-2010_0818_124543-RIMG0098.jpgs-2010_0818_124450-RIMG0094.jpg

s-2010_0818_125644-RIMG0121 kinomiya hebi.jpg 来宮神社には木の神様がいらっしゃると私は信じています。じつはお目にかかったことがあるのです。ちらっとですけれど......。
仙人伝説によると、今から百二十年前、この大楠を伐ろうとしたところ、突然白髪の老人が現れ、両手を広げてさえぎりました。ノコギリは真っ二つに折れ、そのとたん白髪の老人は消えてしまったといいます。江戸末期まで名前は「来宮」ではなく、「木宮」と書かれていたといいますから、まさに木の神様が宿る場所と思います。
この大楠をひと回りすると寿命が一年延び、誰にも言わずに一つ願いをかけると叶うといわれています。私はこの楠と会うとまず、ゆっくりと幹を眺めます。コブだらけのゴツゴツした樹皮に龍やゾウ、貝など様々な生き物が浮かび上がり、その時の自分に最も必要な力を与えてくれる形を見つけます。それからぐるっと回って反対側、大きな洞穴があいた場所で願いを一つ唱えます。そこはまるで子宮の入り口のようで、新たな誕生のエネルギーを感じるからです。それから鳥居近くの楠にも手を合わせ、再会への感謝を告げ帰路につくのです。クスノキの仙人様とあなたも会えるといいですね。(2010年8月現在)

◎樹種/クスノキ(クスノキ科)
◎樹齢/約2000年以上
◎樹高/約20m
◎幹周り/約23.9m
◎所在地/静岡県熱海市西山町43-1 来宮神社
※出世大明神の社を守護するヘビさん 

下写真:鳥居をくぐったすぐのところに立つクスノキにも、強いエネルギーを感じます。

 2010_0818_131032-RIMG0132_R.JPG2010_0818_131402-RIMG0141_R (2).JPG

草薙神社のクスノキ Camphor in Shizuoka

神剣の力を秘め
大地を駆けるクスノキ

s-RIMG0139kusunoki main.jpg この物体は何ものなのか? 生きているのか枯れているのか?
と疑問に思ってしまうほど不思議な形をしたご神木です。だいたい上に向いて立っていません。物凄い迫力で、木の塊のようなものが横に這っています。だから、いつものように木を見上げることはできません。失礼とは思いながら、ご神木を上から見下ろす姿勢になってしまいます。
この木の幹の内側はすでに枯れて、外側の樹皮だけを残した状態。それでも枝は伸び続け、緑の葉を湛えています。
しばらく眺めていると、龍の姿に見えてきました。顔をぐいっと前に向け、大地を駆け、空を舞う龍神がご神木に形を変えてこの世に残ったような。とにかく力強い気を感じるクスノキです。
クスノキが立つ土地は三種の神器のひとつ、「草薙の剣」の故郷といえる場所だそうです。日本武尊が火攻めにあった時、剣を抜いて草をなぎ倒し、難を逃れたという伝説が残っています。ご神体の剣はその後、天武天皇の勅命で熱田神宮に移され、現在に至ります。もしかすると、クスノキは神剣の現し身であるのかもしれません。


◎樹種/クスノキ(クスノキ科)
◎樹齢/約1000年
◎樹高/約25m
◎幹周り/約6m
◎所在地/静岡市清水草薙349 草薙神社
(2010年3月現在)

龍華寺の大蘇鉄  Palm in Shizuoka

熱い太陽の気を放つ
日本最古の大ソテツ

s-RIMG0173sotetsu.jpg  富士山の絶景に見立てたという日本庭園の中に突如現れる大ソテツ。ここは南の島!? と錯覚を起こすほど大きなソテツが本殿前に広がり、熱帯植物の森を作り出しています。日本三大ソテツのひとつで株の周囲は約6メートル、最古最大といわれています。
 ソテツのシンボルは「強靭な心身」。裸子植物の常緑低木で、熱帯地域に育つ木。太陽エネルギーをたっぷりと浴びています。海岸沿いの岩場などに自生し、やせた土地でも育つタフな木。氷河期を乗り越えたきた木とされ、強靭な魂を与えてくれそうです。熱い太陽をいっぱいに浴びたDNAをもつ大ソテツは出会う人の人生にも光の力をもたらしてくれるよう。そばには樹齢約300年の大サボテンもあり、「大宝剣」という力強い名前。刃の形に似た葉に勝利の願いを託して......。
 ここは心身が弱った時の守護樹の立つ庭といえるでしょう。

◎樹種/ソテツ(オリーブ科)
◎樹齢/約1100年
◎樹高/3.7m
◎幹周り/6m(根周り)
◎所在地/静岡市清水区村松2085
(2010年5月現在)

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