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大朝の天狗シデ Hombeam in Hiroshima 

天狗伝説のある「魔除けの木」
世界でココだけ?の異形のイヌシデ、100本が並ぶ


s-tengu shide in Hiroshima.jpg


DATA of TREE
▽樹種:イヌシデ(カバノキ科・落葉高木) 
▽学名:Carpinus tschonoskii
▽樹齢:約130年
▽樹高:約12m/幹周り:約4.5m
▽所在地:広島県山県郡北広島町田原灰谷
※国指定天然記念物(2000年) 

【木の特徴―大蛇がのたうち回るような幹と枝】
幹は曲がりくねり、枝先はがくんとしなだれ、1本たりとも真っ直ぐ立っていません。標高998メートルの熊城山の斜面に、大小100本以上が自生するシデの群れ。大蛇がのたうちまわるような異形の姿に圧倒されます。なんとも幻想的、神秘的。1本1本が魂をもって、襲ってくるかのような生命力の強さを感じます。
このイヌシデ、突然変異が代々続いてこんな姿をしている、世界でも珍しいシデの木だそうです。春になると、のこぎりのようなギザギザの葉で覆われます。トゲのある葉をもつ木はヒイラギなどと同様、昔から厄除けパワーをもつ木。のたうつ異形の姿に加えて、鋭い葉をもつシデたちは災厄除け、病気除けの力を放ってくれそうです。 でもその力は人間にとってではなく、多分、シデの木にとって......。昔からこの地には天狗伝説があり、「この木に登ると、天狗に投げ飛ばされる」とか、「月の晩、天狗がやってきて舞いを舞う」とちょっと怖い話が言い伝えられてきました。もしかすると昔々、人間は気安く足を踏み入れてはいけない神聖な場所だったから、こんな伝説が伝わったのかな。今、イヌシデの木の下に立つと、災厄除けのエネルギーを浴びることができるかもしれません。

【歴史を伝える―紙垂を名前に持つ木】
イヌシデの"シデ"という名前は、花が垂れ下がる様子が注連縄や玉串などにつけられる紙垂(しで)に似ていることからつけられました。神社などでも紙垂をつけた場所はそこからが神域とされます。このことから、シデの立つこの場所もまさしく神宿る場のように思えてきます。本当に、なんともいえない神秘的な気が漂っているのですよ・・・。

【この木に会いに行こう!】
JR広島駅から高速バスで「大朝IC」で下車、車で約15分。不便な場所にあるので、近隣在住の人に車で送ってもらうことをお勧めします。
(2007年1月撮影)

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