天神中條天満宮の五本杉 Cedar in Yamanashi
五本仲良く伸びていく「五本杉」、建屋にそびえる厄除けのご神木、
ふんばって立ち続ける800歳のケヤキetc.ご神木が集うおてんじんさん
These Trees are standing in the shrine.
シンボルsymbol:仲良し、厄除けamulet
樹種:スギ(ヒノキ科)常緑高木
学名:Cryptomeria japonica
◎樹齢age/300years old
◎樹高height/40m
◎幹周りsurroundings/8.2m
◎所在地/山梨県南巨摩郡富士川町天神中條552-1 天神中條天満宮
(2015年3月5日撮影)
◎ご神木の立つ場所
「天神中條天満宮(てんじんなかじょう・てんまんぐう)」
ご祭神:菅原道真公 ご利益:合格祈願、厄除け
祭典:あたり一面、菜の花がいっぱいに咲く頃、お祭りがおこなわれている。
生き生きと成長する五本杉
この神社は菅原道真公をお祭りした、通称"おてんじんさん"。菜の花がちらほらと咲き始めた風景の中、すっくと立つ「五本杉」は、根元は1つ、途中から5本に分かれて、仲良く伸びているご神木だ。元々は別々に誕生した5本の木が癒着して、1本の大樹へと成長したのではないかといわれている。推定樹齢は約300年。
この他にもご神木があり、
本殿手前の大ケヤキのご神木(写真右上)
屋根がついた建物の中にででんっとそびえるケヤキがあった。樹皮はゴツゴツとして波打ち、古木の風格を醸し出している。建屋の周囲には大きな絵馬があり、子どもたちの顔が書かれた合格祈願の絵馬が掛けてあった。笑顔のイラストも素朴で可愛く、地元の人たちにいかに信頼されているのかが伝わってくる。このご神木は悪いものを避けるご神木。以前、雷が落ちたとき、本殿に落ちないでこの木に落ち、本殿を守ったと伝えられている。
鳥居前の駐車場にはスギのご神木(写真左下)
鳥居の入口には樹齢800年のケヤキ(写真右下)
少し傾き、樹勢はなくなりつつあるが力強い生命エネルギーを感じた。(写真左下)
古長禅寺のビャクシン Junipers in Yamanashi
四天王をかたどり、夢窓国師が植えた四つのビャクシン。
等間隔に四方に並び、勢いよく伸びてゆく
These four Trees are standing in the temple.
シンボル:結界
樹種:ビャクシン(ヒノキ科)落葉高木
学名:Zelkova serrata
◎樹齢age/700年years old
◎height&surroundings
・北東隅:樹高/10.9m 幹周り/4.4 m ※地上部で東西に割れている
・北西隅:樹高/16 m 幹周り/6.3 m ※地上約1mで4つの幹に分かれている
・南東隅:樹高/10.9 m 幹周り/4.05 m
・南西隅:樹高/ 14m 幹周り/5.15 m ※地上に近い所から東西に二股に分かれている
◎指定/国指定特別天然記念物
◎所在地/山梨県南アルプス市鮎沢1509 古長禅寺
(2015年3月5日撮影)
◎ご神木の立つ場所
「古長禅寺(こちょうぜんじ)」
臨済宗妙心寺派の寺院
開山:夢窓疎石(むそう・そせき 1275-1351)本尊:釈迦如来
☆境内にはダイナミックな姿をした藤の古木があり、池の中をまるで龍が渡るように仕立てられている。
龍が天を駈け昇るかのような立ち姿をしたビャクシン。このお寺には勇壮な四樹が立っているというので期待して行った。本殿のある境内を突っ切り、旧客殿前庭に4本のビャクシンがちょうど正確に四方に立っていた。境内の四隅を守るようにご神木が立つ様子は諏訪大社の御柱に共通しているので、何か意味があるのだろう。結界を張る目的だろうか。四樹それぞれに姿が違うので、どの木が自分の心に合うか、そばに寄り添い見つけたい。
言い伝えによると、
南北朝時代、1316年、寺を開山した臨済宗の禅僧、夢窓疎石が四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)をかたどり、植えたビャクシン。旧客殿前庭の四隅に約10メートル間隔に四本が植えられ、今に至る。通称「夢窓国師、手植えの四つのビャクシン」。高僧が自らの手で植えたという"手植え"伝説を踏襲しているが、四本とも今も勢いよく健在というのがすばらしい。ビャクシンのご神木は鎌倉の建長寺や湯河原の城願寺など禅寺に多いが、ここも禅僧が開山したお寺である。
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十日市場の大ケヤキ Zelkova in Yamanashi
子宮の入口のごとく洞の中に根が何本も伸びている。
堂々たる根張りの大ケヤキ、今日も道祖神さまが見守っている。
シンボル:子孫繁栄
樹種:ケヤキ(ニレ科)落葉高木
学名:Zelkova serrata
◎樹齢/500年
◎樹高/24メートル
◎幹周り/9.8メートル
◎所在地/山梨県南アルプス市十日市場 神明社・石動社
(2015年3月5日撮影)
◎ご神木の立つ場所
神明石動社(しんめい・いするぎ・しゃ)
ご祭神:天照大神、可美眞手命(うましでのみこと。物部氏の祖)
こじんまりとした境内に大ケヤキがそびえている。生々しい、あまりに生々しいお姿である。幹の中心を割るように大きな洞があり、それは子宮の入り口のような形状をしているではないか。人間の肉体に似た、こうした姿の木と会うとき、私は木もまた"生き物"なのだと妙に感動する。小さな私の体と大きな木の体に共通する部分があるということに自然の神秘を感じてしまうのだ。洞の中を覗くと、上から下へと白く細長い枝が何本も生えているのが見えた。古木になると洞の内側に根が伸びてくることがあるという。大地に伸びる力を失ったのかどうかはわからないが、洞の中の根がこの古木が生きながらえる力となっているそうだ。「まだまだ生きるぞ!」と内から叫んでいるようだ。上部で2本に分かれた枝は若々しい。洞から切り裂くように幹が割れ、二又に分かれて空へと伸びているのだ。これも連理の木といえようか。1つの根が途中で2本になって成長する木は縁結びのご利益があるという「連理」の姿をとっている。2本の枝のダイナミックな上昇感もさることながら、根張りもまたすばらしい。板根状(板のようにやや平らな形)になって広がり、大地をどっかりとつかんでいる。堂々と立っているのに少し優しげに見えるのは、ケヤキがその形をさらして女性性を放っているからだろうか。身をよじるような姿で立ち、民家のすぐそばまで枝が伸びているが近所からは苦情もないという。地元では「しょういちさん」と呼び親しまれているこの神社。ケヤキもまた大らかな気持ちで見守られているのだろう。ケヤキの正面には赤い鳥居があり、道祖神が祀られている。家内安全、子孫繁栄の守り神さんとご神木。境内はすがすがしい気が流れる、なんとも心地いい神社だった。
三恵の大ケヤキ Zelkova in Yamanashi
雷に打たれて、主幹を失った。
それでも尚、生命力に溢れて、勢いよく伸びゆく
シンボル:不屈の精神
樹種:ケヤキ(ニレ科)落葉高木
学名:Zelkova serrata
◎樹齢/1000年
◎樹高/20メートル
◎幹周り/14.95メートル
◎所在地/山梨県南アルプス市若草町寺部今井前
(2015年3月5日撮影)
この大ケヤキ、かつては「日本三大ケヤキ」の一つだったという。他の二樹は「東根の大ケヤキ(山形県)」と「原町の大ケヤキ(群馬県)」。雷や台風などで主幹が折れて、大きな空洞(裏側にある)ができ、二本の幹がかろうじてつながっているという状態だ。しかし、落雷などで主幹が倒れ朽ちてしまったにも関わらず、このエネルギッシュな姿を見よ! 支柱に支えられてはいるが十分見応えあり、圧倒的されるような壮麗な巨樹である。