法内の八本杉 cedar in Akita
6本のスギが寄り添うように仲良く育つ山の神
昔は8本あったので、八本杉と名づけられた
DATA of TREE ▽樹齢:約500年以上(秋田県指定天然記念物)
▽樹高:約11.66メートル
▽幹周り:約48メートル
▽所在地:秋田県由利本庄市東有里法内字臼ケ沢国有林
▽会いに行くには:JR羽越本線「羽後本荘」駅より車で約50分
何本ものスギが一緒に生長している珍しい巨樹。秋田 杉に囲まれた森の中、急な山道を登っていくと突然、堂々たる姿が目に飛び込 んでくる。現在、6本のスギが寄り添うように生長し続けている合体木である。 昔は8本あったので、八本杉と名づけられた。スギは別々の木が癒着して一本 の巨樹となりやすい樹種だが、これほど数多くの幹が大きな一樹となって伸び る光景は奇跡的ではないだろうか。このスギの場合、新芽が出てきた時に癒着 して、地上約3メートルの高さまで一緒に生長し、主幹を形成したと考えられ ている。そこから上は1本1本の幹が独立して環状に伸びていき、秋田県内最大 級のスギへと生長した。根元にある石の祠は江戸時代からあるといわれている から、長く地元の人に大切にされてきたのだろう。とにかく大きい、壮大な山 の神である!
日本古来の「神杉」巡礼はいかがだったろうか。異形の巨樹が好きな私は、こ の他にもご紹介したいスギが数多くある。洞の形から名づけられた「箱根神社 の安産杉(神奈川県)」、玉の形をした樹冠が珍しい「山五十川の玉杉(山形 県)」、被災地の守護神「大船渡の三陸大王杉(岩手県)」等々、スギ図鑑が 作れるほど出会っているので、次の機会まで楽しみにしていてほしい。