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6 被爆樹木・原爆資料館の五葉松 in ナガサキ(Aランク)

家族の形見として大切に育てられた松 
被爆40年目の昭和60年、長崎市に寄贈されました   
A-bomebed White Pine in NAGASAKI


IMG_2938_R.JPGのサムネイル画像 ▼爆心地からの距離:1,100メートル
▼マツ科・常緑高木
▼樹齢:89年
▼樹高:?m. 幹周り:?m
▼所在地:長崎市平野町7-8
▼Aランク 

【木の特徴―移植】
被爆樹木の中には、被爆した場所から移植された木も多くあります。この松は爆心地から約1.1kmの民家で被爆。近くの竹林や庭の柿などの高木が立ち枯れる中で、当時樹齢17年の松は奇跡的に生き延びました。被爆40年目の昭和60年、長崎市内の造園業、池田操(みさお)さんが長崎市に寄贈されました。今も緑生き生きと生きています。

【被爆を伝える―家族への思い】
池田さんは中国・上海で兵役に従事していたため、被爆を免れました。しかし、昭和21年1月、中国大陸から復員してみると、家族全員が亡くなっていました。実母、愛する妻と生後8か月の長男ら家族5人。池田さんは、原爆で失った家族の形見として大切に育てられていましたが、「被爆者同様に原爆に耐え、生き抜いたこの松を多くの人に見てもらいたい」と寄贈されました。松のとなりには、同じく池田さんが寄贈されたツツジが立ち、毎年ピンク色の花を咲かせています。
※参考資料:五葉松そばの記念石、『被爆建造物等の記録 植物』(長崎市,平成8年3月25日発行)

【この木に会いに行こう!】
JR長崎駅から路面電車「赤迫(あかさこ)」行で「浜口町」電停下車、徒歩約5分 。原爆資料館の庭園内。

【解説】Aランク:原爆の熱線、爆風及び放射線により破壊、または著しく影響を受け、原爆のすさまじさを感じさせる<こん跡>のあるもの、著しいこん跡は認められないが、当時の社会的状況をとくに強く示唆するもの。(「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」保存対象のランク付けの基準より抜粋)

≪DATA of A-Bombed Trees≫
Japanese White Pine/Nagasaki City - Peace & Atomic Bomb Museum
1100m from the hypocenter
botanical name:Pinus parviflora
age: 70 years old over
height:? m.
surroundings:?m
address:7-8 Hirano-cho Nagasaki-city
This tree survived the atomic bombing of Nagasaki, about 1100m from the hypocenter. The tree is standing in the garden of the Peace & Atomic Bomb Museum. There are other A-bombed trees, including a Azarea. June,2017 Shooting
 
★Let's go to see this tree !
5 minute walk from the Hamaguchi-cho station.

14CC5CB3-EB7A-4C48-B710-AB8778594974_R.JPG五葉松の根元にある記念石。


崇禅寺のアカマツ pine in Gunma

神様が降臨するための梯子を発見! 
生命の営みが繰り返されることへの感謝の念 

2 IMG_1830 (2).jpg
DATA of TREE
▽樹齢:不明
▽樹高:不明
▽幹周り:不明
▽所在地:群馬県桐生市市川内町2-651 崇禅寺内
▽会いに行くには:JR両毛線「桐生」駅から車で約10分

松迎え、門松、松明......。神の依代として、日本の伝統行事に欠かせない、わ が国の吉祥樹の代表といえるマツ。庭園などではきれいに剪定され、下枝は伐 りとられていることが多いのでわかりにくいが、海岸などで自然のままの姿を しているマツの枝が下向きに伸びていることがある。その枝は天から神様が降 りてくるときの梯子(はしご)だと古来、伝えられてきたのをご存知だろうか。 私自身、書物では知っていたが、本物と会えるとは思ってもみなかった。

群馬県桐生市にある崇禅寺の本堂前に立つ、堂々たる神様の梯子である。青々 と繁るアカマツの幹から一本の枝が伸びている。自然と伸び始めた枝をお寺の 方が丁寧に整え、ここまで育てられたのだろう。枝が太く、地面までなだらか な傾斜で導かれ、神様がとんとんと歩いて渡るにも安心のように思える。
崇禅寺は鎌倉時代、元久2年(1205)から約800年の歴史がある寺だ。初代執権で ある北条時政が追放され、子の北条義時が政権を握った頃からの始まりという。 境内にはアカマツの老樹が立ち並び、「萬松山」と呼ばれるほどマツが多い。 このマツの向かいにも、背の高いアカマツが聳えていたが写真に納まりきらず、 お見せできないのが残念だ。真夏に訪れたので、見上げても太陽の陽射しが眩 しすぎて、上の緑までよく見ることができなかった。巨樹は赤い龍のようだっ た。龍が空を昇るかのようにやや傾斜して伸びていこうとしている。そのダイ ナミックな立ち姿そのものが"神の依代"としての存在感をアピールしている ようだった。崇禅寺ホームページを見ると、第二十一世ご住職、岩田真哉氏は 「松樹千年翠」という言葉とともに、古い葉が新しい葉に移り変わりながらも、 生命の息吹は常に変わることなく、千年の緑を保つマツについて伝えていらっ しゃる。
これこそが日本古来の常緑樹、マツへの信仰である。寒い冬の間も緑を湛え、 春になれば新しい芽を出し、生命の営みが繰り返されることへの感謝の念。マ ツは毎日を無事に暮らせるという平和の象徴であろう。
じつはここを訪れたのはマツが目的ではなかった。樹齢600年、日本一のイト ヒバに会いに来たのだった。アカマツの後ろに見えるのがイトヒバだ。このお 寺は木が大きく育つ磁場のようなものがあるのかもしれない。目的とは違う木 と出会い、離れがたくなるのはよくあることだ。このマツもそんな1本である。 どこにも書かれていない巨樹、ご神木との出会いを大切に伝えていきたい。
それにしても不思議な姿をしていた。赤い幹、龍のウロコのような樹皮、のた うつように曲がりくねった枝。訪れたのは8月初めのこと。生命力に満ち満ち たアカマツの熱と照りつける太陽の陽射し。広い境内を歩けば、真夏だという のにオレンジ色に染まった紅葉も見つけた。私は境内を流れる、熱い赤の生命 エネルギーにすっかりのぼせてお寺をあとにしたのだった。

4 IMG_1846 (2).jpg


華蔵寺の宝珠松 Pine in Iwate

宝珠が連なる
富と豊穣の松かさ

s-IMG_402pine houju.jpg 一つの枝に松かさ(毬果)が数十個ひとかたまりでつくことから、〝宝珠〟が連なる松という名前がつきました。雄花と雌花のつく位置が一般のマツとは反対に着生する突然変異で、学術的にも貴重な松とされています。毎年すべての枝に発生するとは限らず、残念ながら訪れた時にはついていませんでした。
古来、松かさは富、子宝、豊穣のシンボル。表には現れなくても心身の豊かさをもたらす力を秘めています。華蔵寺は震災発生当時、避難所となっていました。空を目指して凛と立つマツの姿は、誇りをもって再び生きようとする人々の希望となっただろうと思います。

◎樹種/マツ(マツ科)
◎樹齢/約130年
◎樹高/約20m
◎幹周り/約2m
◎所在地/岩手県陸前高田市小友町字門前
(2011年9月現在)

東松島の月観の松  Pine in Miyagi

長者伝説をもつ
末広がりの強運松

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のどかな田園風景の中に突然現れる、美しい黒松。太い枝を四方八方に伸ばし、まさしく〝末広がり〟の強運力を広げてくれる姿をしています。その枝張りは東西約25メートル、南北約20メートル。周囲に遮るものが何もないためか、自由にのびのびと枝を伸ばしています。
 地面につきそうなほどの枝の張り具合は「神の依代」と呼ぶべき姿です。天から神様が降りてくる梯子とされる形です。上のほうの枝はくるくると上に向かっていて、風といっしょに遊んでいるみたい。根元にはイスの形をしたコブが出ていたのでそっと腰かけ、しばらく松の瞑想を楽しみました。
「月観の松」という名前は、義経伝承に登場する平安時代の商人、金売吉次がこの辺りで月を眺めたことから名づけられました。当時、東北地方で金が産出され、彼はその金をもとに京で商売に成功し、財を得たといわれる長者伝説のシンボル。実際にいたかどうかはわからないそうですが、古来、財運を呼ぶ木である松のそばで優雅に月見をする人物は、本能的に木のパワーを得ることを知っていたのかもしれません。


◎樹種/マツ(マツ科)
◎樹齢/約1000年
◎樹高/約16m
◎幹周り/約4.2m
◎所在地/宮城県東松島市大曲字宮前
(2011年9月現在)

善養寺の影向の松  Pine in Tokyo

境内を覆いつくし
復活力を授ける霊木

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 冬の間も緑をたたえ、凛と立つ松は西欧でも東洋でも吉祥の木。わが国では「常盤木(ときわぎ)」と呼ばれ、長寿、富、祝福の象徴です。
 この松の名前「影向(ようごう)」とは神が降臨し、そこに影を移す、つまり姿を現すことです。古来、松の周りには霊験が集中するといわれますが、この松はまさに神が宿る木だと感じます。
 一本の幹から四方八方へと枝を伸ばし、じつに東西に30メートル、南北に28メートル、広さは約900平方メートルにも及ぶのです。高台から見下ろすと、境内を覆い尽くすように松葉が広がり圧倒されます。まぶしい緑です。一時は枝の先まで黒くなり、死にかけたことがあるというのが嘘のようです。吉運と復活の力、ともにもった松です。

◎樹種/マツ(マツ科)
◎樹齢/約600年
◎樹高/3m
◎幹周り/4.5m
◎所在地/東京都江戸川区東小岩2-24-2 善養寺内
(2010年9月現在)

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