• Home
  • 聖樹巡礼
  • 宇宙樹の庭
  • こころの木
  • 木に咲く花の文様
  • 木の芸術家
  • 木の図書館

横室(よこむろ)の大カヤ Torreya in Gunma 

樹齢1000年、金沢家の人々が守り続けている 
どっしりと根を張ったカヤの大樹 

_MG_039720191020Kaya-GunmaYokomuro.jpg
DATA of TREE

▽樹種:カヤ(イチイ科・常緑高木) 
▽学名:Torreya nucifera
▽樹齢:約1000年
▽樹高:約24m/幹周り:約8.1m(2000年調査)
▽所在地:前橋市富士見町大字横室1023-1
※国指定天然記念物(1933年4月13日指定)
 
【木の特徴】
カヤと出会ったら、まず嗅覚を鋭くすることだ。少し離れた場所からでも、葉の香りが漂ってくる。さわやかとは言いがたいが、甘いような、ツーンとした清涼感がかすかにあるような、独特の香りがする。カヤは細身のものも多いが、この大カヤはどっしりと根を張って、堂々たる姿だ。旧家、金沢家の所有地に立つ、個人が管理している巨樹である。これほどの大きな木を守り続けるのはどれほど大変なことだろう。現代において、街中の巨樹が元気に成長するのは、その木を守りたいという人間の意志に支えられていることに感銘を受ける。カヤの木のすぐ下に立って、樹冠を見上げよう。推定樹齢は約1000年という長生きの木だが、老木には思えないほど、力強い生命エネルギーに満ちあふれている。 (2019年10月撮影)
★この木を見るポイント⇒カヤの実、根張り。葉の香りを嗅ぐ。

【歴史を伝える】
金沢家の系図によると、祖先が1749(寛永2)年、諏訪神社を奉祀したとき以来、ご神木として尊重してきたものという。1907(明治40)年、諏訪神社が赤城神社に合祀されるにあたり、金沢氏が境内を買い求め、このカヤを管理するようになった。現在、木が立つのはその諏訪神社跡の広場である。

【この木に会いに行こう!】
赤城山のふもと、国道17号田口町の交差点を東に入り、600メートルほど進むと右手に見えてくる。帰りにお土産を買うなら道の駅「ふじみ」がおすすめ。地元情報で知ったのだが、餃子の皮が超うまい。日帰り温泉(1日520円)もあり。

【カヤとは?】
イチイ科・常緑針葉高木。神社やお寺などでよく見かける。かなり巨木になり、高さ約35メートル、直径2.5メートルほどになるものも。花期は4~5月、秋にまんまるい実がなり、食用、薬用になる。木材は建築、船舶、彫刻などに利用され、とくに柾目材は碁盤として最高級品。葉の先を握ると痛い。姿の似たイヌガヤは葉がやわらかく、痛くないので区別できる。

※参考文献:『群馬の巨樹・古木めぐり』(群馬県緑化推進委員会)