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蟻通(ありどおし)神社の2本のクスノキ Camphor in 熊野

神門すぐには「火消し」のクスノキ
境内中央には「縁結び」のクスノキ

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DATA of TREE
▽樹種:クスノキ(クスノキ科・落葉高木) 
▽学名:Cinnamomum camphora 
▽樹齢:不明
▽樹高&幹周り:ともに不明
▽所在地:和歌山県田辺市湊19-6
 
【木の特徴】
地元で御霊(ごりょう)さんと呼ばれる小さな神社に、2本のご神木が立っています。
<1本目:上左写真>神門をくぐると目の前に、馬の像を従えたクスノキがそびえています。幹には大きな傷あとがあります。安政元年、大地震のために火災が起きたとき、このクスノキの幹や枝から白水が噴き出し、同時に風向きが変わり、延焼をまぬがれたことから、「霊樟(れいしょう)」と崇拝されています。
<2本目:上右写真>境内の中央に立つご神木。根元は1つで、途中から2本に分かれて伸びる「連理(れんり)※」の姿をしています。こうした特徴を持つご神木は「縁結び」のご利益があるとされ、注連縄にはたくさんのおみくじが結ばれていました。(2018年5月19日撮影)
★この木を見るポイント⇒神門を入ってすぐのクスノキは裏側に傷あと、木のまわりの馬、シカ、ヤギ。境内中央にあるクスノキは1つの根から2本の幹が成長する縁結びの姿。

【連理のご神木とは?】
1つの根から2本の幹が伸びる木、また、別々の2本の木が途中で1つにつながった木を「連理の木」と呼びます。蟻通神社のクスノキは前者の形。連理のご神木は、縁結び、夫婦円満、男女和合などのご利益があると崇拝され、日本全国にあります。

【この木に会いに行こう!】
JR「紀伊田辺」駅から徒歩約10分。

【歴史を伝える】
「蟻通(ありどおし)」という神社の名前にまつわる故事。昔々、紀州田辺に外国の使者が訪れ、「法螺貝に1本の糸を通してみよ、もしできなければ、日本国を属国にしてしまうぞ」と言いました。ひとりの若い神様が蜜(みつ)と蟻(あり)を使って、見事に糸を通しました。それを見た外国の使者は「日の本の国はやはり神国である」と恐れ、その知恵に感服して逃げて行きました。蟻によって法螺貝に糸を通したことから「蟻通しの神」と呼ばれ、知恵の神として崇拝されることとなりました。

20180519_174146_R.jpg20180519_174236_R.jpg神門をくぐってすぐの霊樟のまわりに注目。シカ、ヤギ、馬を発見!