№31 禿翁寺Tokuoujiのカエデ in 広島
被爆を生き延びた、お地蔵さまのそばで
初夏には緑、秋には赤、四季を繰り返すカエデです
A-bomebed quince in HIROSHIMA
▼爆心地からの距離:1580m
▼所在地:広島市中区東白島町8-8
▼カエデ科・落葉高木
▼樹齢70年以上
▼樹高:4m、幹周り:0.75m
【木の特ちょう―無言で四季を繰り返す】
ここは広島市内の寺社では最も多くの被爆樹が立つお寺です。境内の入口には、この被爆カエデとともに、クスノキ、クロマツ、紅梅、アラカシなど12本。境内の中央辺りに立つカエデは目だった傷あともなく、美しい姿で立っています。秋には真っ赤に染まり、何事もなかったように、四季を繰り返しています。カエデの向こうには、被爆を乗り越えた阿弥陀如来さま。2015年4月撮影
【被爆を伝える―被爆したお地蔵さま】
被爆した六地蔵さまがいらっしゃることでも有名なお寺。お地蔵さまのお1人は爆風で倒れてまっぷたつ、割れたまま積み重ねられて、針金で固定されています。社務所の前にもかわいい、小さなお地蔵さま。半身に被爆の焼けたあとを残しながら、訪れる人を見守っています。
【この木に会いに行こう!】
広島駅から徒歩約20分。路面電車「白島」駅から徒歩3分。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Maple tree/The Peace Boulevard near Shirakamisha Shrine
1580m from the hypocenter
botanical name:Acer
age:70 years old
height:4 m
surroundings:0.75m
address:8-8 Higashi Hakushima Naka-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1580m from the hypocenter. There are other A-bombed trees, including a apricot, a pine, a camphor tree and the ring₋cupped oaks. There are the Atomic bombed stone jizos in this temple . Apr,2015 Shooting over 70 years old.
★Let's go to see this tree ! 20 minute walk from the Hiroshima station.
№31 禿翁寺Tokuoujiの紅梅 in 広島
幹に大きなウロを残しながら苔むして
春には美しいピンク色の花を咲かせます
A-bomebed Prunus mume in HIROSHIMA
【あ、芽が出てる!】 Tiny green buds growing out of burnt trees!
▼爆心地からの距離:1580m/広島市中区東白島町8-8
▼バラ科・落葉高木
▼樹齢70年以上 樹高:3.8m 2本立ち
【木の特ちょう―ウロがある】
夕日に輝く紅梅の芽。1つの株から2本の幹が出ています。幹には被爆による大きな洞(うろ)があり、周りの樹皮が穴を覆おうとしています。苔むして、古木の風格を醸し出しています。毎年3月、紅色の花を咲かせ、いい香りが漂います。境内には、被爆したカエデ、クロマツ、アラカシも立ち、寺社の中では最も多くの被爆樹が立つお寺です。
※写真提供:禿翁寺・ご住職
【被爆を伝える】
境内には、原爆の傷あとを残すおじぞうさま。中でも、高さ1.7メートルの「六地蔵尊」は、熱線で焦げた跡が残る地蔵、爆風で割れた地蔵など、痛々しい姿を残しながらも、優しいお顔で立っていらっしゃいます。被爆により、五体になった石造りの六地蔵さま。手前は割れたまま、積み重ねられたおじぞうさまで、針金で固定されています。お顔が一人一人ちがうんですよ。社務所前、赤い帽子の小さなおじぞうさまは、よく見ると、半身に被爆の焼けたあとが残っています。
【この木に会いに行こう!】
広島駅から徒歩約20分。路面電車「白島」駅から徒歩2分。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Prunus mume/The Peace Boulevard near Shirakamisha Shrine 1580m from the hypocenter
botanical name:Japanese apricot
age:70 years old
height:3.8 m
surroundings:3.8m
address:8-8 Higashi Hakushima Naka-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1580m from the hypocenter.
The beautiful flowers blooms every year. There are other A-bombed trees, including a maple, a pine, a camphor tree and ring₋cupped oaks. There are the Atomic bombed stone jizos in this temple . Apr,2015 Shooting over 70 years old.
★Let's go to see this tree !
20 minute walk from the Hiroshima station.
№28 浄西寺のイチョウ in 広島
このイチョウを守るために
階段に穴があけられています
A-bombed Ginkgo tree in HIROSHIMA
▼爆心地からの距離:1420m
▼所在地:広島市中区住吉町15-22
▼イチョウ科・落葉高木
▼樹齢約100年
▼樹高:12m/幹周り:0.6m
【木の特ちょう―木を守るため、階段をくり抜きました】
100歳を越えるイチョウ。
木を守るために建物の設計が工夫されている被爆樹木の1つです。階段に穴があけられ、そこから幹が伸びています。12年に1度、穴を大きくする工事が行われ、今までに2回広げているそうです。原爆を生きのびて、今も元気に緑を繁らせています。2015年5月撮影
【被爆を伝える】
1915(大正4)年、当時は寺町にあったお寺の説教所をこの場所に建てたとき、記念樹として植えられたイチョウです。被爆当時、爆心地方向に建っていたお菓子工場にさえぎられて、イチョウは無事でした。1981(昭和58)年、新しい本堂を建立するにあたり、木を守る現在の設計が考えられたそうです。
【この木に会いに行こう!】
広島平和記念資料館から平和公園を抜け、本川通り沿いを歩いて、15~20分。広島駅前より広島バス「吉島」方面行き「住吉町」で下車、徒歩1分。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Gingko tree/The Jousai-ji Temple
1420m from the hypocenter
botanical name:Ginkgo biloba
age:about 100 years old
height:12 m
surroundings:0.6m
address:15-22 Sumiyosi-cho Naka-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1420m from the hypocenter. A hole is emptied into the stairs to protect a tree.
★Let's go to see this tree !
20minute walk from the The Hiroshima Peace Memorial Museum. There is this tree in The Jousai-ji Temple.
№25 縮景園のイチョウ in 広島
ボコボコと樹皮にあいた、穴。何だと思いますか?
被爆によるヤケドのあと。そこから新芽が次々と出ています。
A-bomebed Ginkgo tree in HIROSHIMA
【被爆樹(ヒバクジュ)の傷あと】Scars of A-Bomebed Tree
原爆からよみがえった木の多くが「被爆の傷あと」を残しています。今日は<ヤケドのあと>のある木を紹介します。
▼爆心地からの距離:1,370m/広島市中区上幟町2
▼イチョウ科・落葉高木
▼樹齢200年以上 樹高:21m 幹周り:3.5m
【木の特ちょう―ヤケドのあとがある】
樹齢200年をこえるイチョウ。樹皮にケロイド状の傷あとを残しています。幹の中央にボコボコと穴が開いているのが見えませんか? それが<ヤケドのあと>です。この写真は2015年4月に撮ったものですが、傷口からいくつもの新芽を出しています。原爆投下の翌春、この反対側から芽が出たと伝えられています。傷つきなばらも生きようとするイチョウの姿には、怒りを秘めた生命力を感じます。この木は爆心地のほうへ傾くという、被爆樹のもう1つの特徴ももっています。被爆当時、縮景園には原爆で傷ついた人々が集いました。2015年4月撮影
【被爆を伝える―京橋川で起きたこと】
当時のことを広島市民が描いた「原爆の絵」が残っています。タイトルは「溺れながら流される人々」。鮮やかな水色の川、「熱い、熱い」と水を求めて入った人たちが流されていく様子です。作者の目にとまるのは一人の少年。「次々に迫りくる火から逃れようと入水する。顔中、目も口もわからないほどにはれ上がってしまった中学生の一人が、ヤナギの枝に放心したようにすがっていたが、ふと顔を水中に伏せて思いっ切り水を飲んだ。大きな息を吐いたと思ったら、手は枝から離れ、そのまま沈み、流れて行ってしまった。「父よ、母よ」とも言えぬまま......」(被爆当時14歳だった作者Yokoさんの言葉より)。この絵は平和記念資料館に所蔵されています。
【この木に会いに行こう!】
路面電車「縮景園前」で下車、すぐ。まず、入口で地図をもらいましょう。地図の中央上部にイチョウのマークがついています。イチョウは庭園内の小高い山の上に立っています。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Ginkgo tree/Shukkeien Garden
1,370m from the hypocenter
botanical name:Ginkgo biloba
age:200 years old
height:21 m
surroundings:3.5m
address:2 Kami noboricho Naka-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1370m from the hypocenter.
The ginkgo tree is more than 200 years old. The tree is bent due to the atomic bombing. The trunk has burn by fire. There are other A-bombed trees, including a muku tree and a black pine. When the atomic bombing, many people fled to this garden and died here. 【Survivors' Stories】A woman drew a A-bomb drawing.The river was carrying countless drowning people downstream. Yet more people jumped in, driven by the approaching fire. A middle school student, face swollen beyond recognition, was clinging onto a willow branch as if dazed. The next moment the student dipped his face in the river and took a draught of water. He then heaved a sigh, released the branch, sank and drifted away, without so much as saying "Dad!" or "Mom!". Drawn by Yoko Suga (age 14 at the time of the bing. .Owned by Hiroshima Peace Memorial Museum)Apr,2015Shooting
★Let's go to see this tree !
2minute walk from "Shukkeien-mae Station", by Street car.
№25 縮景園ムクノキ in 広島
幹の内側が空洞になり、亀裂があります
人々が水を求めて入った川へ、身を乗り出して
A-bomebed Camphor tree in HIROSHIMA
【被爆樹(ヒバクジュ)の傷あと】Scars of A-Bomebed Tree
原爆からよみがえった木の多くが「被爆の傷あと」を残しています。今日は<亀裂(きれつ)>のある木を紹介します。
▼爆心地からの距離:1,370m/広島市中区上幟町2
▼アサ科・落葉高木
▼樹齢70年以上 樹高:11m 幹周り:2m
【木の特ちょう―幹(みき)に亀裂(きれつ)がある】
江戸時代から続く名勝(めいしょう)、「縮景園(しゅっけいえん)」の中に立つムクノキ。庭園内のいちばん北、園外から見ると、コンクリート塀を突き破って、猿猴川のほうへ傾いています。川をのぞき込むような姿は、被爆当時、水を求めて川に入った人々の様子を思わせます。よく見ると、幹の中はほとんど空洞で、表面には「亀裂」ができています。被爆によって、木の内部は死んだ状態となり、外側の樹皮だけで、この木は立っているのです。 それでも毎春、芽吹き、緑を繁らせています。
【被爆を伝える】
美しい日本庭園として知られる「縮景園」には、被爆直後から多くの人が避難してきました。当時のことを描いた原爆の絵が残っています。池のほとりに、すきまなく並んで、水を飲んでいた傷ついた人々。翌日見たら、同じように並んで、みんな亡くなっていたそうです。池のまわりにうつ伏せでぐるりと囲んだ絵。被爆当時17歳の男性が描いたその絵は平和記念資料館に所蔵されています。
【この木に会いに行こう!】
路面電車「縮景園前」で下車、徒歩1~2分。庭園のいちばん北、ムクノキは明日亭を越えた塀のそばに立っています。園内に入らず、表門を背にして左手に塀沿いを歩いた先にあります。傷ついても、倒れそうでも、生き続ける。強い精神が迫ってくる木です。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Muku tree/Shukkeien Garden
1,370m from the hypocenter
botanical name:Aphananthe aspera)
age:over 70 years old
height:11m
surroundings:2m
address:2 Kami noboricho Naka-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1370m from the hypocenter. There is this tree in Sukkeien.The muku tree is at the far end of the garden in the northwest corner. It has a big scar. There are other A-bombed trees, including a ginkgo and a black pine. Shukkeien was created in the year Genna 6 (1620) by Shigeyasu Ueda, a high-ranking retainer in the service of the Asano Clan who was also a renowned master of tea ceremony. Although Shukkeien was virtually destroyed in the Atomic Bombing. People were drinking the water from the pond in Syukkeien. The following day, they died around the pond.Jun,2015Shooting
★Let's go to see this tree !
2minute walk from "Shukkeien-mae Station", by Street car.