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八重垣神社の玉椿 Camellia in Shimane 

まんまるい樹冠の良縁ツバキ 
大切なあの人と"赤い糸"を結びます  

CIMG1213 Tamatsubaki Izumo.jpg


DATA of TREE
▽樹種:ツバキ(ツバキ科・常緑高木)
▽学名:Camellia japonica 
▽樹齢:約400年
▽樹高:約8m/幹周り:約1.6m
▽所在地:島根県松江市佐草町227
▽花の見頃:3月下旬~4月上旬

出雲大社からバスで約20分のところに、男女のご縁を結んでくださる八重垣(やえがき)神社があります。境内には縁結びを象徴する形「連理(れんり)」のツバキがたくさん立っています。「連理」とは2本の木が途中から1本になって成長する木の姿のこと。その始まりの木が神社の正面に立っている「玉椿(たまつばき)」です。

【木の特徴】
日本の"結婚"の聖地、八重垣神社。八岐大蛇を退治した素盞嗚尊(スサノヲノミコト)が稲田姫命(イナダヒメノミコト)と、日本で初めて"結婚"という形を結び、男女の<縁結び>の道を開かれたことが始まりの神社です。2人が結婚したとき、大地に立てた2本のツバキが芽を吹き出し、一心同体の形に成長していきました。「玉椿」と呼ばれて親しまれ、立て看板には「神秘の夫婦椿」。太い幹が2本、寄り添うように癒着して、ふくよかなお尻のようなシルエットで1本になり、上へと伸びていっています。樹冠はまんまるで、ふくふくと笑い合う、仲良しの夫婦みたい・・・。「夫婦円満」「幸せな家庭」を象徴するような形です。こんな歌が案内板に書かれていました。

「出雲八重垣、祈願をこめて、末は連理の玉椿」

神話の時代から現代まで、「愛」の象徴として崇拝されているツバキ。木肌はさらさらとして肌触りがよく、葉はツヤツヤとして美しい。女性の魅力を高め、美しさにもご利益があるといわれるツバキです。あの資生堂の花椿マークになったのはこの木だそう。私が訪れたお正月、ツバキの花はまだ咲いていませんでしたが、まあるい樹冠、ふっくらした幹を眺めているだけでもホッと心があたたかくなるような幸福感に包まれました。

★この木を見るポイント⇒ 2本の幹が途中でくっついて1本になり、一心同体で成長している。まるい樹冠も可愛い。

【歴史を伝える】
八重垣神社の境内にも連理のツバキがあります。不思議なことに、木が枯れても、境内のどこかでまた連理のツバキが芽を出すと伝えられ、現在は3本の夫婦椿があるといわれています。お土産には八重垣神社のお守りの一つ「縁結びの糸」を。赤い糸と白い糸とが入っていて、男女のご縁を深く結んでくれますよ。

【ツバキの教え】
ひとつご縁を結べば、幸せがひとつ訪れる。ふたつご縁を結べば、幸せがふたつ訪れる。1本のツバキはあなたです。ご縁に気づかないままにすれ違ってしまう友がいないように、愛の結び人になりなさい。

【この木に会いに行こう!】
JR「松江市」駅から、八重垣神社行きのバスで約25分、終点下車すぐ。出雲大社から向かうなら一畑電鉄「電鉄出雲市」駅からバスで約20分。

(2008年撮影)