来宮神社のクスノキ Camphor in Shizuoka
白ひげの仙人様が宿っている大楠
ひと回りしながら一つだけ願いをかけて
来宮神社には木の神様がいらっしゃると私は信じています。じつはお目にかかったことがあるのです。ちらっとですけれど......。
仙人伝説によると、今から百二十年前、この大楠を伐ろうとしたところ、突然白髪の老人が現れ、両手を広げてさえぎりました。ノコギリは真っ二つに折れ、そのとたん白髪の老人は消えてしまったといいます。江戸末期まで名前は「来宮」ではなく、「木宮」と書かれていたといいますから、まさに木の神様が宿る場所と思います。
この大楠をひと回りすると寿命が一年延び、誰にも言わずに一つ願いをかけると叶うといわれています。私はこの楠と会うとまず、ゆっくりと幹を眺めます。コブだらけのゴツゴツした樹皮に龍やゾウ、貝など様々な生き物が浮かび上がり、その時の自分に最も必要な力を与えてくれる形を見つけます。それからぐるっと回って反対側、大きな洞穴があいた場所で願いを一つ唱えます。そこはまるで子宮の入り口のようで、新たな誕生のエネルギーを感じるからです。それから鳥居近くの楠にも手を合わせ、再会への感謝を告げ帰路につくのです。クスノキの仙人様とあなたも会えるといいですね。(2010年8月現在)
◎樹種/クスノキ(クスノキ科)
◎樹齢/約2000年以上
◎樹高/約20m
◎幹周り/約23.9m
◎所在地/静岡県熱海市西山町43-1 来宮神社
※出世大明神の社を守護するヘビさん
下写真:鳥居をくぐったすぐのところに立つクスノキにも、強いエネルギーを感じます。