№53 安楽寺のイチョウ in ヒロシマ
木の下で弟といっしょに遊んだ思い出のイチョウ
木を守るため、山門に穴があけられています
A-bombed Ginkgo tree in HIROSHIMA
▼爆心地からの距離:2160m▼所在地:広島市東区牛田本町1-5-29
▼イチョウ科・落葉高木
▼樹齢約350年
▼樹高:25~30m/幹周り:4.55m
【木の特ちょう―木を守るため、山門に穴があけられている】
イチョウは水分が多く、古来、「火伏せの木」と呼ばれるご神木。被爆後に米軍が撮影した白黒写真にはイチョウが延焼を止めた様子が写っています。安楽寺のある神田橋周辺の川沿いは火災に包まれ、多くの家屋が焼かれました。お寺の周り三方は家屋が燃え尽くされ焼け野原ですが、イチョウを境に、民家や建物が焼け残っています。本堂は全壊状態でしたが、イチョウに守られ、太い柱が焼け残りました。とはいえ、イチョウも炎にまかれ、枝葉を失い、ヤケドのあとが幹の上部に残っています。戦後しばらく、扇型にならない奇形の葉がよく出ましたが、そのうち出なくなったといいます。
新しい山門を造る時、邪魔になった枝を伐らずに、屋根に穴をあけて枝を通し、元気に育つように工夫されています。春から夏には青々と繁り、秋には黄金色に染まって、美しい被爆イチョウ。親木は東京・麻布の善福寺にある逆さイチョウといわれています。2015年5月撮影
【被爆を伝える】
被爆当時15歳だった前住職の登世岡さんは原爆で弟さんを亡くされました。「今でも私はまだ平和記念資料館へよう入らんのです。原爆のことを思い出しますから。あの日、弟がいつまで待っても帰らないので、母親と探しに出かけ、見つけたときには顔がわからないほど、全身に大やけどをしていました。ベルトのバックルでやっと弟だとわかりました。自宅に戻って6日後、息を引き取りました。12歳でした」。登世岡さんの文章が2017年8月6日の平和宣言で読まれました。2015年11月(黄葉)
【この木に会いに行こう!】
広電バス牛田方面ゆき、「牛田大橋」下車。徒歩3分。広島駅から徒歩約30分。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Ginkgo tree/The Anraku-ji temple
2160m from the hypocenter
botanical name:Ginkgo biloba
age:about 350 years old
height:25~30 m
surroundings:4.55m
address:1-5-29 Ushida-Honmachi Higashi-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 2160m from the hypocenter.
★Let's go to see this tree !
30 minutes walk from the Hiroshima station. There is this tree in The Anraku-ji temple .