山五十川の玉杉(たますぎ)Cedar in Yamagata
遠くから見ると玉のような樹冠
根元は苔のスカートをはいています
◎樹種/スギ(スギ科)
◎樹齢/約1500年
◎樹高/40メートル
◎幹周り/10.91メートル
◎所在地/山形県鶴岡市山五十川字臼井266
国指定天然記念物(2014年6月現在)
津金沢の大杉 Cedar in Yamagata
抱きつくとビリビリと
強烈な気が伝わってきた
◎樹種/スギ(スギ科)
◎樹齢/1000年
◎樹高/38.5メートル
◎幹周り/9.18メートル
◎所在地/山形県山形市南部の津金沢集落 熊野神社
山形県指定天然記念物(2014年6月現在)
天狗の里の馬かくれ杉 Cedar in Gunma
馬が隠れるほどの洞穴がある
その大きな空洞こそが森の神域
◎樹種/スギ(スギ科)
◎樹齢/1000年
◎樹高/29メートル
◎幹周り/7.71メートル
◎所在地/群馬県沼田市上発知町445
(2014年5月現在)
鞍馬山の杉のオブジェ Cedar in Kyoto
朽ちてゆく大樹の魂が
もののけのような姿を作り出すのでしょうか
霊力を感じる山......という印象が鞍馬山にはあります。凛として清浄な空気に満ち、魂が研ぎ澄まされていくような力強さを大地からも、杉の木立からも感じます。
とくに激しい気に打たれるのは山頂近くの木の根道。土が岩盤状で硬いため、根が大地の奥まで伸びず、むき出しのまま地上を這う山道が続くのです。〝鞍馬山は積極的に生き抜くための活力をご本尊からいただくための道場〟といわれるだけあって、歩く道にも厳しさを求められるのかもしれません。
根と根との間をぬって進むと大杉権現社です。樹齢一千年の杉が立っていますが、私の心に響いたのはオブジェのような杉の株。おそらく長く生きてきた大樹の命が終わって幹が折れ、大地に還る途中......。辺りは静けさが漂う広場、木に寄りかかり、木の力と一体となる瞑想時間を過ごしました。ここから山道を下ると貴船神社に到着します。力強い山の気に、徐々に潤いをおびた水の気が混ざってくる、自然の気が放つ変化を楽しむのもこの土地ならではの霊力です。
◎樹種/スギ(ヒノキ科)
◎樹齢/不明
◎樹高/不明
◎幹周り/不明
◎所在地/京都市左京区鞍馬本町1074 鞍馬山の大杉権現社内
(2011年8月現在)
日光二荒山神社の縁結びのスギ Cedar in Nikko
「スギナラ一緒になりました」
愛の絆を深めるご神木
鳥居前に立つ縁結びのご神木。看板には「すきならいっしょに」の文字が描かれています。
真っ直ぐに天に伸びていくスギの力を愛する人との出会いへと導く大樹があります。
男体山をご神体とする日光二荒山神社(にっこうふたらさん・じんじゃ)に立つスギのご神木。1999年に日光東照宮とともに世界遺産に登録されたこの神社。すがすがしい空間です。神秘的というより、ほっとあたたかな、明るい気の流れる境内にご神木がいくつも立っています。スギの姿そのものが縁結びを象徴しているように、連理の杉(根元は一つなのに、幹が二本、三本と伸びる木)がたくさんあります。
参道を歩いてまず出会うのは神門手前の「縁結びのご神木」。スギにナラの木が宿り木となってくっつき、一本の木として立っているという不思議さ。看板には「すぎ(き)ならいっしょに!」と書かれ、誰もが思わず好きな人の顔を思い浮かべてしまいそうですね。
神門を入って右手には家庭円満の「親子杉」。根元で三つに分かれ、一本の杉に三本が立っています。ご祭神親子のご神徳でこの形になったと伝えられ、家族の絆を強めてくれる木。右手には根元で二つに分かれた「夫婦杉」。こちらは夫婦円満、男女和合のご神木です。
日常でのよい出会いとともに、血を受け継いでいくという生命の絆を結ぶ力も秘めたご神木だと感じました。
◎樹種/スギ(スギ科)
◎樹齢/不明
◎樹高/不明
◎幹周り/不明
◎所在地/栃木県日光市 日光二荒山神社
(2010年9月現在)
いつからここに立っているのでしょうか。樹皮は苔むしています。雨上がりの翌日、苔を触るとふわふわ、緑の匂い。その感触がとても好きです。