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大船渡市の三面椿  Camellia in Iwate 

1400年の時を生きる
希望のツバキ

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 一千年を越えてこの地に立ち、海に向かって枝を伸ばすヤブツバキ。日本最古のツバキともいわれています。神社創建の頃、東、西、南の三方向に植えられていたことから「三面椿」の名前があります。現在は東側のツバキだけが残っているそうです。四月、樹冠いっぱいに花が咲き乱れ、真っ赤に染まるほど。命が叫ぶかのような激しい赤、赤、赤。
 2011年3月11日、このツバキの前まで津波が押し寄せたといいます。震災後は避難所となっていた熊野神社。私が訪れた日、境内では小さな女の子が二人遊んでいました。お姉ちゃんと妹。無邪気に追いかけっこをする様子をおじいさんが微笑みながら見守っていました。「写真を撮ってやってくれないか」と頼まれたのでカメラを向けると、ちっちゃな妹のほうは恥ずかしがって逃げてしまいました。お姉ちゃんのほうはツバキの前にちょこんと座って撮らせてくれました。とってもかわいい女の子でした。こんなところまで津波が?と思うほど高台に立つ熊野神社で、今、生きている人たちが笑っている。写真を送りますというと、「いらないよ。写真に撮ってくれたというだけでうれしいんだから。気にせんでくれ」とおじいさんは答えました。いつか渡せたら...と思っているのだけれど。
 今年も、何事もなかったように咲いた真っ赤なツバキは、この土地に生きる人々の<いのち>の灯のように思えてきます。これからも人々の生きる希望であり続けるのではないでしょうか。

◎樹種/ツバキ(ツバキ科)
◎樹齢/約1400年
◎樹高/約10m
◎幹周り/約8m
◎所在地/岩手県大船戸市末崎町字中森 熊野神社内
(2011年9月現在)