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妙光院のボダイジュ Linden tree in Tokyo

かつて名木百選に選ばれていた菩提樹。幹は折れましたが 
根元から"ひこばえ"が生え、ハート形の葉がキラキラキラ 


RIMG0058_R.JPG DATA of TREE
▽樹種:ボダイジュ(シナノキ科・落葉高木)
▽学名:Tilia miqueliana 
▽英名:Linden tree
▽樹齢:不明
▽樹高:ひこばえが数本集まる/幹周り:2~3㎝
▽所在地:東京都府中市本町1ー16ー13 妙光院
※東京都府中市の名木百選№78(2008年台風により倒れる)


【木の特徴】
かつては「名木百選」に選ばれるほど、美しい木だったのでしょう。しかし、2008年の台風で倒れたそうです。私が訪れたのは2010年、会うことができませんでした。今、この木が立っていた場所からは"ひこばえ"が何本も生え、葉を繁らせています。いつか、ひこばえのどれかが大樹になる日は数十年後か、百年後か・・・。このお寺のまわりに住む子供たちは大きくなった菩提樹に会えるかもしれませんね。ボダイジュはハートの形をした葉が特徴です。ひこばえの小枝からキラキラと、若緑色のハートが出ているのを見てください。(2010年7月撮影)
★この木を見るポイント⇒ひこばえ、ハート形の葉

RIMG0055_R.JPGRIMG0053_R.JPG


















【歴史を伝える】
妙光院は、貞観元年(859)、眞如法親王の開山、真言宗のお寺です。御本尊は延命地蔵菩薩像。多摩八十八か所霊場23番札所。お寺の裏門を出ると、「珈琲・菩提樹」という名前のカフェがありますよ。かつて大樹だった頃のこのボダイジュに思いをはせながら、コーヒー1杯いただくのも素敵な時間です。

【この木に会いに行こう!】
JR「府中本町」駅下車。徒歩約5分。大国魂神社のすぐそばです。


おまけ【日本の菩提樹・インドのボダイジュ】 
日本のボダイジュは、お釈迦様が悟りを得た木とは違う種類です。インド仏教のボダイジュはクワ科で、ガジュマルやアコウなどの仲間、気根をたくさん垂らす常緑高木の「インドボダイジュ(学名:Ficus religiosa)」です。一方、わが国のボダイジュは落葉高木。サンスクリット語の「ボーディ・ヴリクシャ(Bodhi-vrksa)」を漢訳したもので「悟りの木」という意味。しかし、釈迦の教えがインドから中国にもたらされた時、中国の風土ではインドボダイジュが育たないため、葉の形が似たシナノキ科の木が代わりに寺院に植えられました。そのシナノキが日本への仏教伝来後、鎌倉時代の僧、栄西(1141-1215)によって、仏教の聖樹ボダイジュとして伝えられ、以来、わが国ではシナノキ科の木が「ボダイジュ」と呼ばれるようになりました。つまり、仏教のボダイジュとは何の関係もない木なのです。