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善明寺のオリーブ Olive in Tokyo 

古代オリンピック、勝者の冠はオリーブの葉。
銀緑色がまぶしい異国の木がお寺に立っています


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DATA of TREE
▽樹種:オリーブ(モクセイ科・常緑高木)
▽学名: Olea europaea 
▽樹齢:約100年
▽樹高:約4m/幹周り:約0.4m
▽所在地:東京都府中市本町1-5-4 善明寺
※東京・府中の名木百選№55(1988年8月選定)
 
古代ギリシャ、最初のオリンピックでは優勝した人にはオリーブの葉で作られた冠が捧げられました。昔々、「オリーブの葉、1枚1枚に聖なる言葉が描かれている」と信じられたのは、ヘブライ(古代イスラエル)の樹木神話です。ノアの箱舟伝説では大洪水の後、海に放った鳩がオリーブの小枝をくちばしにくわえて戻ったことから、再生の象徴になりました。銀緑色の葉を見ると心が澄んでいくよう・・・。遠い国々の聖なる木であったオリーブが今、日本のお寺ですくすくと育っています。

【木の特徴】
日本のお寺でオリーブの木と出会えるなんて、不思議な気がします。松や紅葉など日本ならではの吉祥の木々にまじって、オリーブの木がそびえています。すがすがしい葉色が空の色と溶け合って、独特の美しさ。葉の表は濃い緑色、裏はシルバーに近い淡い緑色。風になびくたびに太陽の光に反射して、キラキラと輝いています。きれいに掃き清められた庭はしんとして、のんびり見上げていると、心も体も浄化されていくのを感じます。このオリーブの立つ場所だけ、異国に迷い込んだような幻想的な空間。日本と世界との架け橋となってほしいと願うオリーブです。

★この木を見るポイント⇒ 銀緑色の葉の美しさ。

【歴史を伝える】
善明寺は天台宗のお寺。国内最大という鉄製の阿弥如来坐像「金仏(かなぶつ)さま」(国指定重要文化財)が有名です。野口雨情が作詞した『府中小唄』に、「♪恋のかけ橋 金仏さまもヨ」と登場します。この一節は鎌倉初期の武将、源頼朝に仕えた畠山重忠(1164-1205)と遊女との悲恋物語をモデルにしたといわれています。

【オリーブの教え】
シンボルは「平和と再生」。真の勝利は、平和な心を保つ人のところに訪れる、と木は教えています。

【この木に会いに行こう!】
JR南武線「府中本町」駅から徒歩約2分

(2010年5月撮影)