№24 住吉神社のクロマツ in 広島
船の守護神すみよしさんの被爆松
人の命を救ったと伝わります
A-bomebed Pine trees in HIROSHIMA
▼爆心地からの距離:1,300m/広島市中区住吉町5-10▼マツ科・常緑高木
▼樹齢200年以上
▼樹高:7m/幹周り:1.4m
樹高:7m/幹周り:1.2m
【木の特ちょう―しだれるように枝を伸ばす】
地元の人から「すみよしさん」と呼ばれて親しまれている住吉神社。本川の畔にあり、江戸時代から船の守護神として信仰されています。社殿の左手にクロマツが2本立ち、石塀から身を乗り出すように枝を伸ばしています。
戦前、この辺りは数多くのクロマツが立つ松林でしたが、原爆によってほとんどが枯死。住吉神社は本川のすぐそばにあり、境内から数本のクロマツが川のほうへ枝垂れるように立っていたと伝わります。被爆後に再生し、生きのびたクロマツはこの2本だけです。
【被爆を伝える】
宮司の森脇さんにお話を聞きました。
「毎年夏になると、川岸に腰をかけて長い間、川を眺めているおばあさんがいらっしゃったので、声をかけると、「私は住吉さんのおかげで、今日生きています」とおっしゃる。原爆が落とされたとき、その人は熱さに耐えきれず、川に飛び込みましたが、川が引き潮(※)となり、どんどん流されていったそうです。このままでは溺れてしまうと思ったとき、神社の境内からクロマツの枝が川の中まで伸びていたので、とっさに布切れをかけてつかみ、やっと岸に上がることができて助かったそうです。その時のご恩を忘れず、毎年夏にいらしてくださるのです。この木はひとを救った被爆松です」(2015年取材当時のお話)
【解説】※引き潮:広島市の川は瀬戸内海の満ち引きで水位、流れが変わる。原爆投下直後は川の流れはゆるやかだったが、時間が立つと引き潮となり、流れが激しくなった。水を求めて川の中に入った人の中には溺れたり、海のほうへと流されていく人も大勢いたと伝わる。
【この木に会いに行こう!】
広島駅前より広島バス吉島線「住吉町」下車、徒歩2分
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Pine trees/Sumiyoshi jinja
1,300m from the hypocenter
botanical name:Pinus thunbergii
age:over 200 years old
height:7m/7m
surroundings:1.4m/1.2m
address:5-10 Sumiyoshicho Naka-ku,Hiroshima city
This trees survived the atomic bombing of Hiroshima, about 1300m from the hypocenter.