世界遺産・闘鶏神社の大楠 Camphor in 熊野
熊野詣の旅立ちはここで安全祈願を
歯痛が治る!? 樹齢1200年のクスノキが見守る神社
DATA of TREE▽樹種:クスノキ(クスノキ科・落葉高木)
▽学名:Cinnamomum camphora
▽樹齢:伝承1200年以上
▽樹高:14メートル
▽幹周り:8.20メートル
▽所在地:和歌山県田辺市東陽1-1 闘鶏神社(世界遺産)
(※市指定大樹天然記念物)
【木の特徴】
広い境内を見守るように立つご神木、もくもくと樹冠を広げています。2度の落雷で主幹を失い、中程から細い幹が何本も伸びて天を目指す、堂々とした立ち姿です。
このクスノキにはなんとも楽しいご利益が! 看板によると、クスノキの下に立ち、葉を歯が痛いところにつけ、歯痛治癒を念ずれば、治癒するといいます。以前にはご神木の洞(ウロ)に人が棲みつき、火の不始末から木に火がついたが、中から水が噴出して火を消したという言い伝えも。 本殿の前にマツのご神木もあり、そばにはニワトリの像が立っています。左下写真:右側がご神木。
★この木を見るポイント⇒クスノキの葉を歯痛の場所に当ててみて。旅の初日、ずきずき悼む奥歯が本当に治りました。(2018年5月19日撮影)
【歴史を伝える】
2016年10月、闘鶏神社は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録されました。熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)すべての御祭神を祀る、三山の別宮的存在。勝負の神さmとしてのご利益があります。名前の由来は、壇ノ浦の戦い(元暦2(1185)年)にまつわる故事から。武蔵坊弁慶の父親が、「源氏か平氏か、どちらにつくべきか?」を赤を平氏、白を源氏に見立てた紅白7羽の鶏を闘わせて決めたことから、勝負の神さまに。この故事の様子を再現した像が境内にあります。
【この木に会いに行こう!】
JR「紀伊田辺」駅から徒歩約5分。
ニワトリみくじを引いてみよう!鶏の顔、引く人によってちがうみたい。
№57 1号街区公園のクスノキ in 広島
まんまるい樹冠がかわいいクスノキ
被爆した場所で今も立ち続けています
A-bombed Camphor tree in HIROSHIMA
▼爆心地からの距離:2040m
▼所在地:広島市東区二葉の里3-2
▼クスノキ科・落葉高木
▼樹齢70年以上
▼樹高:10m/幹周り:2.1m
【木の特ちょう―被爆した場所で生き続ける木】
まんまるい樹冠がかわいいクスノキは、「二葉の里歴史の散歩道」にあります。広島駅から徒歩10分ほど。高台にある広島東照宮を見下ろす、小さな公園の中に立っています。被爆した時と同じ場所で立ち続けているクスノキです。幹は細いですが、丸い樹冠は青々と繁り、被爆の傷もありません。言われなければ被爆樹木とは気づかないでしょう。2014(平成26)年に登録された被爆樹木です。2015年5月撮影
【被爆を伝える】
この辺りは当時、東練兵場でした。原爆投下後、多くの人が爆心地のほうから避難してきました。被爆した人々の救護所になったと伝えられています。
【この木に会いに行こう!】
広島駅から徒歩〇分。広島駅から縮景園のイチョウやクロマツをスタートに、二葉の里地区にある明星院のイチョウ、鶴羽根神社のクロマツを通って、このクスノキへと散歩しながら、被爆樹めぐりを。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Camphor tree/The 1 gougai-ku Park
2040m from the hypocenter
botanical name:Cinnamomum camphora
age:about 70 years old
height:10 m
surroundings:2.1m
address:3-2 FutabanosatoHigashi-ku,Hiroshima city
This tree survived the atomic bombing of Hiroshima, about 2040m from the hypocenter.
At 8:15 a.m, August 6,1945,Hiroshima was burned by the blazing heat of the atomic bomb. It had been rumored that"nothing will grow in Hiroshima for 70 years", so when people saw new buds sprouting,they were encouraged and were able to have hope for their future. It is alive!
★Let's go to see this tree !
10minute walk from the Hiroshima station.
2 被爆樹木・山王神社のクスノキ in ナガサキ(Aランク)
長崎原爆から蘇った「被爆樹木」のシンボル
山王神社のクスノキ
A-bomebed Camphor tree in NAGASAKI
▼爆心地からの距離:800メートル
▼クスノキ科・落葉高木
▼樹齢500〜600年
▼樹高:21m/17.6m. 幹周り:8m/6m
▼所在地:長崎市坂本2―6―56
▼Aランク
【木の特徴-大きなウロがある】
山王神社には2本のクスノキが立ち、夫婦楠として地元の人々に親しまれています。シンガーソングライター福山雅治さんの歌「クスノキ」のモデルとなった木です。宮司さんによると、「戦前はもっと大きくて、境内に広い影を作るほどだったんですよ」。
1945年8月9日11時2分、長崎市に原子爆弾投下。強烈な爆風と熱線によって、枝も葉も吹き飛び、幹は途中から折れて、黒焦げになりました。被爆直後の無惨な姿が白黒写真に残されています。焼け野原となった境内に立つ2本のクスノキは現在、同じ場所で大きく成長し、堂々たる姿で参拝客を迎えています。幹には大きなウロ(穴)や傷あとがあります。中程にある穴の中には石がゴロゴロと入っています。木のそばに設置された階段を上ると、ウロの中が見られるようになっていますので、のぞいてみてください。
【被爆を伝える 一本柱鳥居】
参道にある二の鳥居は、1本だけで立つ「一本柱鳥居」。爆心地側の左半分が吹き飛ばされたが、右側は残り、根元には折り鶴が捧げられています。この鳥居のことも、福山さんの歌に登場しますね。
【解説】Aランク:原爆の熱線、爆風及び放射線により破壊、または著しく影響を受け、原爆のすさまじさを感じさせる<こん跡>のあるもの、著しいこん跡は認められないが、当時の社会的状況をとくに強く示唆するもの。(「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」保存対象のランク付けの基準より抜粋)
【この木に会いに行こう!】
路面電車で浦上駅前で下車。徒歩10分。
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Camphor tree/The Sannou-Jinja Shrine 800m from the hypocenter
botanical name:Cinnamomum camphora
age: 500-600 years old
height:21m/17.6m.
surroundings:8m/6m
address:2―6―56 Sakamoto,Nagasaki city
The trees survived the atomic bombing of Nagasaki, about 800 m from the hypocenter. Two trees are standing in the Sannou-jinja shrine. June,2017 Shooting
★Let's go to see this tree !
15 minute walk from the Uragami station.
14 被爆樹木・城山国民学校の双子クス in ナガサキ(Bランク)
原爆投下後、幹から出た2本の芽が育ち、
二股に分かれて立つ、ふたごのクスノキ
A-bomebed Campher tree in NAGASAKI
「城山国民学校の双子クス」
▼爆心地からの距離:500メートル
▼クスノキ科・落葉高木
▼樹齢不明 樹高:?m. 幹周り:?m
▼所在地:長崎市城山町23-1
▼Aランク
【木の特徴―2本の株立ち】
爆心地からわずか500メートルに位置する城山小学校の平和坂入口に立つ被爆樹木です。原爆で朽ち果てたと思われた木の両脇から、2本の小さな芽が出てきて、それがここまで大きく成長しました。根元は雑草で覆われていますが、よく見ると、根元から幹が二股に分かれ、伸びています。この姿から、子どもたちに「ふたごくず」と呼ばれ、親しまれています。
【被爆を伝える 一城山平和祈念館】
1945年8月9日は11時2分、原子爆弾が炸裂(さくれつ)。城山国民学校は壊滅しました。1400余名の児童、28名の教職員が亡くなりました。敷地内にある木々はなぎ倒され、焼け野原になりました。被爆後も教室として使われていた校舎を被爆遺構として1999年2月に改築。現在は、被爆時の遺物などを展示する資料館になっています。
【この木に会いに行こう!】
路面電車で「松山」電停前で下車。徒歩10分。
【解説】Aランク:原爆の熱線、爆風及び放射線により破壊、または著しく影響を受け、原爆のすさまじさを感じさせる<こん跡>のあるもの、著しいこん跡は認められないが、当時の社会的状況をとくに強く示唆するもの。(「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」保存対象のランク付けの基準より抜粋)
≪DATA of A-Bombed Trees≫
Campher tree/The Shiroyama Elementary School 500m from the hypocenter
botanical name:Cinnamomum camphora
age: ? years old
height:? m.
surroundings:?m
address:Nagasaki city
This tree survived the atomic bombing of Nagasaki, about 500m from the hypocenter. The tree is standing in the Shiroyama Elementary School. There are other A-bombed trees, including a Japanese Prickly Ash. June,2017 Shooting
★Let's go to see this tree !
10 minute walk from the Matsuyama station.
17 被爆樹木・淵(ふち)神社のクスノキ in ナガサキ(Bランク)
福山雅治さんの「桜坂」が流れる神社
爆心地のほうへ傾いて立っています
A-bomebed Campher tree in NAGASAKI
▼爆心地からの距離:1,700メートル▼クスノキ科・落葉高木
▼樹齢不明
▼樹高:?m/幹周り:?m
▼所在地:長崎市渕町8-1 淵神社境内
▼Bランク
【木の特徴―幹の傾斜】
被爆樹木にはいくつかの特徴がありますが、<幹が爆心地のほうへ傾いている>ことも、その1つ。2015年、広島の研究チームが調査に訪れ、このクスノキも幹が爆心地のほうへ傾いていることがわかりました。広島市登録の被爆樹木56本(移植されていない木)で調査し、2014(平成26)年、論文発表したチームによるものです。傾く理由として、爆心地側とその反対側とでは生長の度合いが異なるため。被爆した側は傷つき、生長が遅い一方で、反対側は枝や根の生育がよかったり、幹が肥大する傾向にあります。その影響で、被爆した側が押されて、長い歳月を経るうちに、幹が徐々に曲がっていったのではないかとされています。
※参考文献:論文「広島市における被爆樹木が爆心地との位置関係において示す樹形異常」(大脇なぎさ、鈴木雅和、堀口力著 平成26年度日本造園学会全国大会研究発表論文集32)
【被爆を伝える ―山も被爆】
約400年前、宝珠山万福寺の鎮守社として弁財天が祀られたことを起源とする渕神社。1945年8月9日11時2分、原爆により本殿が倒壊。1960年に再建されました。このクスノキは幹を残し、被爆。山も被爆しましたが、除染も何もされず、人為的な手の入らない状態で、現在の緑繁る山を取り戻しています。この神社は、幕末から明治を生きた実業家、岩崎弥太郎(1835-1885)が、創業した会社、三菱の安全祈願を毎年行ったと伝えられています。また、福山雅治さんが通った幼稚園があり、境内には「桜坂」の曲が流れています。この神社の「福守り」は福山さんファン必携とか。
【この木に会いに行こう!】
神社は稲佐山のふもとにあり、長崎ロープウェー渕神社駅に隣接。長崎駅から3番、4番系統に乗車、「ロープウェイ前」下車、徒歩2分。または、路面電車「茂里町」電停下車、徒歩約15分。
【解説】Bランク:原爆により何らかの影響を受け、<こん跡>が認められるもの、または、こn跡は認められないが、当時の社会的状況をとくに強く示唆するもの。(「長崎市被爆建造物等の取り扱い基準」保存対象のランク付けの基準より抜粋)
≪DATA of A-Bombed Trees≫
The Camphor tree/The Fuchi-jinja shrine 1700m from the hypocenter
botanical name:Cinnamomum camphora
age: ? years old
height:? m.
surroundings:?m
address:Nagasaki city
This tree survived the atomic bombing of Nagasaki, about 1700m from the hypocenter. The tree is standing in The Fuchi-jinja shrine. June,2017 Shooting
★Let's go to see this tree !
15 minutes walk from the Morimachi station.